「ジョブ型」って聞いたことあるけど、よく分からん
今日の申し送り
制度が中途半端なら、迷うのは現場だけになる。
最近、「ウチもジョブ型なんですよ」って話、耳にすることが増えた。
でも正直、「それって何がどう変わるん?」って思わん?
難しく言われるとよく分からんけど、
ざっくり言うとこういうことや。
ジョブ型=“やることありき”で人を雇う働き方
(昔は“人ありき”で、あとから仕事を振ってた)
たとえば――
- 「機械の保守ができる人」がほしい → そのスキルがある人を採用
- 「このラインを任せられる人」がほしい → できる人に任せて、ダメなら契約終了
つまり、「人に仕事を合わせる」んじゃなくて、
「仕事に合う人だけ使う」ってスタイル。
これは欧米では当たり前やけど、
日本ではずっと「とりあえず採って、なんでもやらせる」やり方やった。
だから、今のジョブ型ブームってのは、その真逆に行こうとしてるって話なんよな。
じゃあウチの会社って、ジョブ型なんか?

…って言われると、「よく分からん」「中途半端やな」って思うやろ?
たとえば:
- 「成果で評価する」と言っておいて、頑張りより“上の顔色”が大事
- 「個人のスキルで勝負」と言いながら、雑務や応援ばっかり入る
- 「専門性を生かす」と言ってるのに、教育体制も何も整ってない
こんな感じで、ジョブ型っぽいこと言いながら、中身は昔のままな会社、めちゃくちゃ多い。
だから現場リーダーは混乱する。
「役割で判断するって言われたのに、こっちが人間関係も面倒見ろって何やねん」
「定着してほしいなら、会社がちゃんと育て方決めてくれや」
こういう板挟み、感じたことあるやろ?
年功序列をやめたくせに、ジョブ型にもなりきれないズルさ
昔は年功序列やった。
- 若手の給料は安いけど、年数が経てば上がってく
- 出世も「頑張ればそのうち回ってくる」って希望があった
- 多少理不尽でも、「長く勤めれば報われる」って空気があった
でも今は、そういう“保証”は全部なくなった。
給料もポジションも、「自分で勝ち取れ」って言われる。
…だけど、そのわりに、
会社は“評価の仕組み”も、“責任の線引き”も、ちゃんと作らない。
結局どうなるか?
→ 現場が「なんとなく」で回すしかなくなる。
→ リーダーが「空気を読む」「人間関係をつなぐ」役になる。
→ そして、若手が辞めるたびに「育成が悪い」と言われる。
…いやいや、そりゃないやろ。
会社は“やること”を決めない。でも“結果”だけ求めてくる
これが今、一番ズルいところやと思う。
- 育成制度は整ってない
- 評価のルールもあいまい
- でも離職率が高いと「現場が悪い」って言われる
おいおい、それって
「サッカーやっていいよ」って言われたのに、急に「ルールはラグビーです」って言われるようなもんやん。
どこを目指せばいいか分からんし、何で評価されるかも不明。
それで若手が「不安です」とか「成長が見えません」って言い出すのも、そりゃそうやろ。
でも現場は、人が辞めるたびに穴埋めして、引き継いで、1から教えて…
もう、ボロボロよな。
今、現場は“会社のズレ”の尻ぬぐいをさせられてないか?
最後に、ちょっと聞きたい。
- 何を評価されてるのか分からない
- どうやって育てればいいのか分からない
- 「辞めないで」って言う前に、「辞める理由」が放置されてる
そんな状態で、現場だけが「なんとかしろ」って言われるのは、おかしい。
制度が変わったのに、現場への説明はない。
評価の仕組みもない。
でも責任は全部こっち。
…それ、やっぱズルいよな。
次回【後編】では、
そんな「中途半端な制度」との向き合い方、
そして現場で明日からできる“小さな立て直し”を提案していきます。
- 育成の“ルール化”ってどうやるの?
- 「辞めても回る現場」って何から始める?
- 「会社に期待しすぎない。でもあきらめすぎない」バランスの取り方
読み終えたとき、「ちょっとやってみるか」と思える実践記事にします。