「マイナス人員で現場回してんのに、どうやって教育すんねん。俺も仕事してんねんぞ」
…この言葉に「それな!」ってうなずいた人は、多分いま一番しんどい立場にいる。
でもな、制度が守ってくれへんのやったら、自分たちの“守り方”をつくるしかないんや。
今日の申し送り(後編)
会社が守ってくれないなら、現場にできる“守り方”を決めよう。
制度に期待しすぎない。でも、あきらめすぎない
正直、もう会社の制度には期待できん。
年功序列は終わった。
ジョブ型です、成果評価です――って言われるけど、現場のやり方は何も変わらない。
それでも人は辞めていく。
教えても報われない。
上からは「育成しろ」「定着させろ」。
…いや、「俺も作業してんねん」って話やろ。
それでも現場は止められん。
だったらこう考えるしかない。
「制度があてにならんのなら、現場の“やり方”を変える」
「守ってもらえへんのなら、自分たちの“守り方”をつくる」
明日からできる「現場の守り方」3選

育て方を“決めごと”にする(属人化をやめる)
辞めたKさんが有能すぎて、その後入ったMさんが大変やった。
感覚で教えて、「まあ、見て覚えてくれ」的なノリで放置。
気づけば2か月たっても、一人で任せられん。
…これ、KさんのせいでもMさんのせいでもない。
“教え方がバラバラ”やった現場の責任。
たとえば:
- 初日は〇〇だけ
- 3日目までにこれをマスター
- 1週間でここまで到達
ってふうに、**細かく分けて「ステップごとに教える」**と、めっちゃ効果ある。
“できたら次へ”のやり方は、教える側も楽になる。
誰が教えても同じになるように、決めとくこと。
これが、辞められても慌てない現場の土台になる。
「言ってないけど分かってよ」は、もう通じない
前に、中途で入ったAさん(年配の方)にざっくり説明して、「まあそのうち分かるやろ」で放置したことがある。
求人には“懇切丁寧に指導します”って書いてたのに、実態は「聞いてくれたら答える」スタイル。
結果、その人は怒って辞めていった。
「これ、話が違うじゃないですか」って。
たしかに、悪いのはウチかもしれん。
でも、それくらい**“言葉にして伝えること”が大事になってきてる時代**なんやと思う。
たとえば:
- 「最初の1週間は聞いてばっかでもOKやで」
- 「最初に失敗するのは想定済み」
- 「ミスより黙ってるほうがあかんで」
こういう言葉があるだけで、相手も安心して動けるようになる。
辞めてもつながる」関係をつくる
現場でよくあるのが、「辞めたら関係終了」ってパターン。
でも実は、辞めてもつながってることで助かることもある。
- 情報を教えてくれたり
- 人を紹介してくれたり
- ふと戻ってきてくれることもある
「辞める人=裏切り者」みたいな感覚、もうやめた方がええ。
最後に一言だけでも、
「しんどかったらまた声かけてな」
「うちは出戻りもOKやから」
って伝えておく。
それだけで、辞める人も、残る人も空気が和らぐ。
“沈黙”も立派なマネジメントになる

ミスが多いおとなしい新人さんがいたとき、正直かなり厳しく当たってしまった。
真面目な人やったけど、辞めていった。
「あれはやりすぎたな…」って今でも思う。
たぶん、“指導”のつもりやったんやけど、自分が焦って、しゃべりすぎてただけやった。
- 失敗しそうで止めた
- 質問がないと不安で全部先に説明した
- 黙ってると「分かってないんやろ」と思って怒った
でも、実は「見守る」「黙って見てる」って時間も必要なんやな。
沈黙って、勇気がいる。
でも、「任せる」「信じてる」って一番伝わるのは、たぶんそこなんよ。
「制度がズルい」と気づけたあなたは、もう動ける側だ
今の制度は、どう見ても中途半端や。
年功序列はなくなった。
ジョブ型も言葉だけ。
評価も育成も丸投げで、現場が尻ぬぐいしてる。
でもな。
「これ、おかしくないか?」って気づいたあんたは、もう“待つ側”じゃなく“動く側”や。
完璧を目指さんでもいい。
自分たちで「こうやって守ろう」「こう教えよう」ってルールを小さく作っていく。
それが、制度のズレに振り回されない“強い現場”の始まりやと思う。
✅ 次のアクション
- 育成のステップ、まず3段階に分けて書き出してみる
- いまの若手に「やりにくいところあった?」と聞いてみる
- 自分が辞めるとしたら、現場はどうなる?って逆に考えてみる
「辞めないで」と言う前に、今いる現場を見直そう。
制度に振り回されるんじゃなく、現場が主導権を持とう。
その第一歩が、リーダーの“ちょっとした違和感”から始まるんや。