パパ育休は遠慮してはいけない。実は“会社にも得しかない制度”

パパ育休をとるべき理由

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。

「パパ育休、取れたらいいけど…やっぱムリかもな」
そんな風に思ってるあんたに、伝えたいことがある。

育休は、遠慮して取るもんじゃない。
堂々と、取っていい制度なんだ。

なぜか?
それは単に「家族のため」って話だけじゃない。
育休を取ること自体が、会社にも国にも“メリット”をもたらす仕組みになってるから。

現場の人手不足?
それはあんたが休むからじゃない。
最初から、誰かが抜けると回らないような体制を組んでる“構造の問題”だ。

オレも最初はビビってた。
でも28日間、育休を取って、今は胸を張って言える。

「育休、取ってよかった。
そして、取って正解だった」って。

実際、パパ育休なんてとれるの?

パパ育休取得に悩む工場作業員

「育休って、なんか“ちゃんとした会社の人”が取るもんでしょ?」

最初、正直そう思ってた。
オレら現場は、毎日ヒーヒー言いながら手ぇ動かしてなんぼ。
誰かが抜けたら、現場が止まる。
「そんな中で育休なんて…空気読めよ」って思われるんじゃないかって。

しかも、オレの周りで育休取ったやつなんて、誰一人いなかった。
だからこそ「前例がない=やらない方が無難」っていう空気ができててさ。

奥さんから「もし育休とれるなら、取ってほしい」って言われたときも、
思わず口から出たのはこれだった。

「いや、ウチの現場じゃムリだよ」

でもそれ、今思えばただの“言い訳”だった。

「どうせ無理」って決めつけて、
本当は、自分が遠慮してただけ。
会社がダメって言ったわけでも、制度が使えないって決まったわけでもない。

工場勤務で28日間休むなんて無理だと思ってた


それでも、モヤモヤは残った。
「取れたら、そりゃ助かるよな…」っていう気持ちもどっかにあって。

そんなとき、事務所からパパ育休の案内が回ってきた。

制度があるのは知ってたけど、実際どうなるのかなんて全然わからなかった。
でも、出産も近づいてたし、思い切って聞きに行ったんだ。

「この制度、ウチでもちゃんと使えるんですか?」

答えは、こうだった。

「もちろんです。むしろ、ぜひ取ってほしいです」


え? マジで? って思った。
「育休って、会社にとって“迷惑なもの”じゃないのか?」
でもそのあと、もっと意外な話が返ってきた。

「国から助成金も出ますし、社内的にも“制度を活用している職場”として評価されるんです」
「実は、会社側にもメリットあるんですよ」

その瞬間、なんかスッと肩の荷が下りた。

“あ、オレが休むことって、そんなに悪いことじゃなかったんだ”って。


このあとオレは、ちゃんと28日間の育休を取った。
収入の不安、現場の混乱、復帰後の不利――
そういう「よく聞く話」にどう向き合ったか。
それを次で話そうと思う。

育休で給付金がしっかり出る


「育休ってさ、取ったら給料ゼロになるんでしょ?」

…オレも、最初そう思ってた。
けど、実はちゃんとお金、出るんだよ。

しかも、「育休」ってひとくくりにされがちだけど、
制度は2段構えになってる。


出産直後に使える「パパ育休(出生時育児休業)」

まず最初に選べるのが、「パパ育休」
子どもが生まれてから8週間以内に最大28日間まで休める制度。

  • 事前申請は2週間前でOK
  • 28日間は2回に分けて取得できる(例:1週間+3週間)
  • この間も、「育児休業給付金」が支給対象になる

しかもこの「パパ育休」は、通常の育児休業とは“別枠”扱い。
だからこのあとで、さらに長期の育休を取ることもできる。

👉 まず最初にパパ育休を取る、これが基本の流れ。


余裕があれば「育児休業」でさらに休める。

「もっと子育てに関わりたい」
「長期でサポートしたい」って思えたら、次の選択肢が通常の育児休業

これは、

  • 原則:子どもが1歳になるまで(条件によって最長2歳まで)
  • 支給内容:以下のとおり👇
期間支給額ポイント
最初の6ヶ月月収の67%社保免除・非課税 → 実質“手取り8割近く”の感覚
6ヶ月以降月収の50%希望すれば延長可能(保育園入れない等の理由)

もちろん、家計に余裕が必要にはなる。
でも、会社によっては独自の“上乗せ手当”が出るとこもあるから、
就業規則や人事に聞いてみる価値はある。


基本給ベースで給付金が出る。

オレ自身、何も知らなかったときは、
「育休=収入ゼロ=無理」って思い込んでた。

でもちゃんと調べてみたら、
国の制度が“ちゃんと生活できるように”設計されてる。

オレの場合、基本給ベースの支給だったけど、
社会保険料も免除になるし、非課税だから、
実質的には「ちょっと減るけど、十分やっていける」水準だった。

「収入のことが一番不安です」って人にこそ、
ちゃんと制度を見てから判断してほしい。

男性が育休を遠慮しなくていい理由


育休の制度も給付金も、ちゃんとある。
会社も「ぜひ取ってください」って言ってくれる。

…でも、だ。

「オレが抜けたら現場が回らない」
「チームに迷惑かけるのがイヤだ」
そう思って、二の足を踏んでるヤツ、多いと思う。

わかるよ。オレもそうだった。

でもな、はっきり言う。

その遠慮、いらん。いや、むしろ、しちゃいけない。


「人が足りない」はあんたの責任じゃない

現場が回らなくなるかもしれない――
それって本当に、育休を取るあんたが責められることか?

違うよな。
だって、誰かが一人抜けただけで止まる現場って、
もともとの仕組みがおかしいだけなんだよ。

人が足りないのは、あんたのせいじゃない。
それは、会社側・管理側の“マネジメントの問題”。

それを現場の一社員が“気を使って休まない”ことで補おうとしてるとしたら、
それこそ歪んでる。

「取らないでがんばる」は美談じゃなくて、構造を壊さないだけの我慢なんだ。

「人手不足だから今はムリです」
「繁忙期終わってからにしてもらえますか?」

現場のそういう空気、わかるよ。
でもな、それって、そもそもおかしいんだ。

「迷惑かけそうで…」を気にしなくていい理由


育休って“国が推してる制度”だろ?
制度だけじゃない。
会社が育休を取らせると、国から助成金も出る。

実際、中小企業なら最大72万円の補助金が出る制度があるんだよ。
ちゃんと条件さえ満たせば、会社にとっても「取らせたほうが得」って仕組みになってる。

にもかかわらず、現場では「迷惑かけるな」って空気。
これ、完全にズレてるよな。


育休取得率の推移(男性・女性)グラフ

しかもな――
厚労省のデータだと、男性の育休取得率は17%ちょい(令和5年度)。
女性は85%超えてるのに、だ。

要するに、「制度はあるけど、誰も使ってない」が今の現実。
だからこそ、最初に声を上げる人の意味は大きいんだ。


あんたが一人、制度を使うことで、
「お、俺もいけるかも」って思える人が必ず出てくる。
それが、現場を変える一歩になる。


現場が人手不足なのは、オレらのせいじゃない。
誰かが1人抜けたら回らない──その体制を組んでる会社の責任だ。

混乱するのは、管理職がその課題にまだ向き合ってないから。
でもそれは、今まさに“意識転換の最中”なんだ。


だからこそ、あんたが遠慮しないことが大事なんだ。
制度も金も国の後押しも揃ってる。
あとは「現場が動けるか」だけ。


育休は現場の課題に貢献

あんたが育休を取るって言ったとき、
現場が一瞬ざわついたとしても、それは変わり始めるサインだ。

「誰かが休んだとき、どう補うか」
「人が抜ける可能性も含めた体制にできるか」
これは本来、管理職や上層部が向き合うべき課題なんだ。

つまりあんたは、“気まずい空気”をつくったんじゃない。
“必要な問い”を現場に与えた
んだよ。

その勇気、絶対に間違ってない。


むしろ育休取得して欲しい会社の事情。

育休をとる社員が出れば、
会社には国から助成金が入る(両立支援等助成金など)。
「前述したとおり会社にとってはこれが結構でかい」

それだけじゃない。
「うちは育児と仕事の両立を支援してます」っていう実績も作れる。
それが企業イメージや採用にもプラスになる。

言い換えれば、会社はあんたの育休で――
“ちゃんと得してる”。

だったらもう、あんたが「申し訳ないです…」なんて頭下げる必要、どこにもないよな。

堂々と休んでいい。
それが本来の、制度の正しい使い方なんだ。

パパ育休はとったもん勝ち。

育休を取ってみて、オレの中で一番変わったのは――
**「あ、これってオレだけの話じゃないんだ」**って気づいたことだった。

パパ育休をとって幸せそうな家族

“選択肢”が職場に生まれる

オレが28日間の育休を取って、職場に戻ったとき――
正直、ちょっと構えてた。「空気、変わってたらどうしよう」って。

でも、フタを開けてみたらびっくりした。

現場は、何も変わってなかった。
いつも通り動いてたし、誰かが文句を言うわけでもなく、
上司も同僚も、むしろ普通に接してくれた。

拍子抜けするくらい、みんなポジティブだった。

それだけでも、取ってよかったと思えたけど――
あとから、後輩がこっそり声をかけてきたんだ。

「自分もちょっと育休考えてたんですけど……基本給しか出ないって聞いて、迷ってて」
「現場も人手足りてないし、自分なんかが休んでもいいのかなって…」

そのときハッとした。
「オレが取ったこと自体が、その子の中で“可能性”になってたんだ」って。

結局その後輩は取らなかったけど、
あの迷いを抱えてたことが、何より大事だったと思ってる。

“制度はあるのに使われない”のが一番もったいない。

誰かが一人「取った」という事実を残すことで、
他の誰かにとっての“選択肢”になるんだ。

実際、後輩は迷ってたけど、今回は取らなかった。
収入や人手不足を気にしてたから、口では「大丈夫っす」って言ってたけど、
本音はきっと違ったんだろうなと思う。


でも、こういう“心が動いたけど踏み出せなかった人”は他にもたくさんいる。

リクルートの調査でも、**育休を取った男性の9割以上が「取ってよかった」**って答えてる。
理由は、「妻の負担を減らせた」「家族との時間が持てた」「絆が深まった」など。

だからもし、あの後輩がいつかまた育休を取るチャンスがあったとき、
「先輩が取ってたから、自分も」って思ってくれたら――
それだけで、オレが取った意味があったと思える。

“制度がある”だけじゃ意味がない。
“誰かが実際に使った”ことで、初めて意識される。

オレがその最初の一歩になったなら、それで十分価値があると思った。


貴重な28日間休めるチャンス

うちは上に2歳の子がいて、出産前後はかなり情緒が不安定だった。

でも育休中に、しっかり時間を取ってケアしてあげられた。
それが本当に大きかったと思う。

出産にも立ち会えたし、妻の産後ケアもできた。
夜泣きも、オムツ替えも、上の子のフォローも――全部“家庭チーム”として乗り切れた。

もしあの時、仕事優先で動いてたら?
奥さんに全部丸投げしてたら?
きっと家族全体に“無理”が積もってたと思う。

育休って、制度とか数字の話じゃない。
“二度と戻ってこない時間”の話なんだよ。


とらないで後悔しても遅いぞ。

オレの部署では、オレが“第一号”だった。

それまでは特休2日、残りは年休で調整、みたいなやり方が当たり前で、
「男性が28日間も家にいる」なんて考えもしなかったんだと思う。

でも、今は違う。
あのあと、「育休って普通に取れるよ」って空気が残った。

核家族が増えて、奥さん一人に全部任せるのももう限界だって、みんな感じてる。
だからこそ、年休を消費せずに、制度としてちゃんと“取れる”ことの価値は大きい。

あんたが育休を取ることで、「あ、ウチでもいけるんだ」って思える人が必ずいる。

それって、めちゃくちゃカッコいいことだと思うよ。

「取れる空気」はあんたがつくる


正直なところ、ウチの職場って――
もともと“ブラック寄り”の会社だった。

休みは取りづらい。
上司も厳しい。
「家庭より現場優先」が空気みたいになってて、
「育休? 無理だろ」って、ずっと思ってた。

…でも、実際に「育休取りたいんですけど」って話をしたとき――
信じられないくらい、空気が違った。

いつもは厳しいリーダーや職長が、
「それはちゃんと取っとけ」「大事なことだよ」って言ってくれた。

マジで驚いた。

深読みかもしれない。
でも、オレはこう思った。

「あ、会社が変わりはじめてる」って。


今はまだ、全員がそうじゃないかもしれない。
でも、あの瞬間、オレは**「空気が動いた」と感じた。**

そしてオレ自身、28日間育休を取って、
家族と向き合えて、
現場に戻っても「育休取ったやつ」として見下されることはなかった。

むしろ後輩からは「先輩みたいに取りたいっす」って言われた。

オレが言いたいのは、ただひとつ。


聞いてみるだけの価値は十分ある。

制度はある。
お金も出る。
会社も助成金をもらってる。
現場がザワつくのは、変わろうとしてる証拠だ。

あんたが動くことで、空気が変わるかもしれない。
むしろ、あんたが動かなかったら、何も変わらない。

育休は、気を使って“借りる”もんじゃない。
正当に“取りに行く”もんなんだよ。


家族のためにまず一歩

いきなり申請なんてしなくていい。
まずは軽く話をふってみるだけでいい。

  • 「ウチの会社って、パパ育休いけるんですかね?」
  • 「取った人います?」
  • 「実際どうなるんですか?」

小さい声でも、それはもう“一歩”だ。

その一歩が、
あんたの家族を守って、
あんたの職場に前例をつくって、
次の誰かの勇気になる。

だから、あんたに伝えたい。

気にするな。気にしてはいけない。
堂々と、育休を取りに行ってくれ。

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マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。