金がない、時間がない。
そんな状態が続くと、人は**“ちょっとバカになる”**。
いや、バカにしてるわけじゃない。マジでそういう研究があるんだよ。
TEDって聞いたことある?
あの、口の悪いクマじゃないぞ(笑)
世界中の研究者や専門家が、自分の知見をわかりやすく話すプレゼン大会みたいなもん。
そのTEDで紹介された研究のひとつに、こんな話がある。
「金銭や時間に追われていると、人間の知能が下がる」
プリンストン大学の研究で、これが数字でハッキリ出てる。
IQで言うと、13ポイントくらい下がる。寝不足で徹夜明けの脳と同じレベルだって。
オレ自身、金が尽きて飯も買えなかったとき、
今じゃ考えられないくらいヤバいことを“まとも”だと思ってた。
仕事して帰ってきて、家事と育児でクタクタだった日もそう。
イライラして、何もかもぶっ壊したくなった。
あれは、脳が狭くなってたんだと思う。
今回は、「金銭欠如」「時間欠如」が人の思考にどう影響するのか。
オレの経験と、研究で分かってきたことを交えながら、
一緒に“自分の余白”について考えてみようと思う。
足りないと感じたら馬鹿になる

金欠・時間欠が“IQを下げる”
ってどういうこと?
「金がないと頭が回らなくなる」──
この感覚、現場で働く人なら一度は感じたことがあるはず。
でもこれ、ただの気のせいじゃない。科学的にも証明されてるんだよ。
アメリカのプリンストン大学の研究チームが行った実験。
“今すぐ1500ドル(約20万円)の修理費が必要”という想定をされた被験者に、
そのあと知能テストを受けてもらった。
すると、年収が低いグループのIQは13ポイントも低下。
これは「徹夜明けの脳」と同じレベルだと言われている。
🧠金銭的プレッシャーがIQに与える影響
実は「お金がない」という状態そのものが、
人の思考力(=IQ)を一時的に下げることが、科学的に証明されている。
以下のグラフは、TEDでも紹介された研究をもとにしたもの👇

高額な出費を想像させるだけで、低所得層のIQは13ポイントも低下した。
これは、計算や問題解決などに必要な「認知リソース」が、
“お金の不安”によって奪われてしまうからなんだ。
📚引用元:
- Mullainathan, S., & Shafir, E. (2013).
“Poverty Impedes Cognitive Function.” Science, 341(6149), 976–980.
→ TEDトーク動画(Sendhil Mullainathan)
焦りや不安が“脳のメモリ”を奪う
研究者たちの説明はこうだ。
「人は“どうしよう”と悩み続けると、脳のリソースがその不安に食われて、
本来の判断力や集中力が使えなくなる」
つまり、お金や時間に追われているだけで“脳が本来の力を発揮できない状態”になるってこと。
「時間がない」も同じくらいヤバい
これ、金に限った話じゃない。
時間が足りない状態も、同じように思考力を削ってくる。
- 常に時間に追われる
- 何かを“こなすだけ”になっていく
- 判断が雑になる、焦る、イライラが増える
この状態が長く続くと、
“何かがおかしい”とすら気づけなくなっていくんだよ。
つまり──
「金も時間もない」は、ただの生活の苦しさじゃなく、
“脳の性能が落ちる環境”そのもの。
しかも厄介なのは、その異常に本人が気づけないこと。
欠乏感が生む脳の機能低下

貧乏どん底時代は
「悪いことでも…」と思っていた
10年前、オレは一部上場企業の工場を早期退職した。
ちょっと休もうと思って仕事を辞めたけど、しばらく収入はゼロ。
気づけば、明日の飯代すらない状態になってた。
頭の中は「どうしよう」「どう乗り切るか」ばっかり。
しまいには、「悪いことしてでも…」って考えたこともある。
今思えば、完全におかしかった。でもそのときのオレには“正常”に思えた。
金がないと、判断力ってほんとにズレる。
このときの経験が、後になって**「知能が下がる」って話にめちゃくちゃリンクした。**
ヒマのない生活はイライラMAX
もうひとつ、思い出すのは時間がなかった頃。
- 朝から晩まで仕事
- 帰ってきたら家事と育児
- 気づけば寝るだけの毎日
休む時間なんて1ミリもなかった。
イライラが限界を超えて、家族にキレそうになったり、
「全部ぶっ壊したい」って感情に襲われることもあった。
けどそのときは、「自分がなんで怒ってるのか」すら考えられなかった。
思考力0で感情すら見えなくなる
金がなくても、時間がなくても、
共通してるのは「自分のことが見えなくなる」ってこと。
- 何に追われてるのか
- なぜイライラしてるのか
- どこで判断を誤ったのか
それすら考える余裕がない。
あのときのオレは、完全に“思考停止”状態だった。
金も時間もなかった頃の自分は、間違いなくバカになってた。
でも、それに気づくのが遅れたのは、思考力が削られてたからなんだ。
金があるから頭がいい金持ち

「頭がいいから金持ち」じゃない。「金があるから頭が回る」
昔のオレはずっとこう思ってた。
「頭がいいヤツが金持ちになれるんだろ」
でも、いまならハッキリ言える。
**「金があると、脳に余裕ができるから頭が回るようになる」**んだ。
お金が尽きてたときは、焦りと不安で頭がいっぱい。
選択肢も、視野も、全部せまくなってた。
でも少しでも貯金ができるようになってきたら──
- 物事を落ち着いて考えられるようになった
- 衝動的な判断が減った
- 「今、何をすべきか」が見えるようになってきた
時間は“普通の人”でも買える時代
お金に少し余裕が出てくると、時間も買えるようになる。
食洗機、乾燥機付きの洗濯機、ネット注文や冷凍弁当の活用…。
オレもそうやって、
「自分の頭を休ませる時間」「考える時間」を買った。
その結果、今こうしてブログを書いたり、資格に挑戦したりできてる。
「金→時間→思考→行動」のループを作れるかどうか
この順番で変わったんだ:
① まず、金を持つ(貯める)
② その金で時間を買う
③ 時間の中で考える力が戻る
④ 思考が戻ると、行動ができるようになる
ここに入れたら、人は“頭が良くなったように感じる”。
でもそれは、地頭が変わったんじゃない。環境が変わっただけ。
「お金を少し残せるようになった」
それが、オレにとっての人生の立て直しのスタートだった。
余白を“仕組みでつくる”と
思考が戻ってくる

食洗機と乾燥機付き洗濯機で
“時間を買った”
オレが最初に取り入れたのは、食洗機と乾燥機付きの自動洗濯機。
- 食器洗いに1日20分
- 洗濯・物干しで30〜40分
それが、スイッチひとつで終わるようになった。
最初に感じたのは、「時間ができた」じゃなく、「無駄が見えた」って感覚だった。
今まで“当たり前に使ってた時間”が、家電ひとつで取り戻せたんだ。
それが、自分の中に考える余白を生んでくれた。
コストカット&予算管理は
工場勤務者が有利
金に関しては、とにかく徹底的に削った。
- コンビニNG、飲み物は持参
- 日用品は量販店でまとめ買い
- 携帯は格安SIM
- 不要な保険は即解約
- 車は維持費重視で選び直し
- 食費・生活費は科目別に予算を組んで厳守
でもこれは「ケチケチする」って話じゃない。
“あらかじめ使わない設計にする”っていう段取りの話。
👉 詳しくはこちら:
現場でもできた!生活防衛のためのコストカット術
工場勤務者こそ
“生活改善のプロ”になれる
ここで気づいたことがある。
これ、オレら現場で毎日やってることじゃん。
- ムダを見つける
- ルールや仕組みで改善する
- 時間やコストを数字で管理する
つまり、仕事のやり方をそのまま生活に応用するだけで、
誰でも「生活の思考力」を取り戻せるんだ。
余白は、根性でつくるんじゃない。
オレたちはもう、余白をつくるスキルを持ってる。
本当に怖いのは
“慣れ”かもしれない

「金がないのが普通?」
「時間がないのが当たり前?」
金がない。時間もない。
そんな状態が続くと、人はだんだん慣れてくる。
最初は「ヤバい、なんとかしなきゃ」って焦ってたのに、
気づけば「まあ、こんなもんだよな」って思うようになってる。
でもそれが一番ヤバいんだ。
慣れって、思考停止のサインなんだよ。
現状維持は後退と同じ。
- 目の前のことを“こなすだけ”になってないか?
- なんとなく、流れで一週間終わってないか?
- 「こうしたい」があるのに、動けない自分を見て見ぬふりしてないか?
オレもそうだった。
生活がちょっと落ち着いてきたころ、変わらなきゃと思いつつ何もしてなかった。
それは、「落ち着いた」んじゃなくて──
“思考する習慣がなくなってた”だけだった。
「気づけてる今」がチャンス。
でも逆に言えば、
「このままでいいのか?」と少しでも思えてるうちがチャンスなんだ。
- 5分だけでも座る時間をつくる
- 千円だけでも残す習慣をつくる
- モヤッとしたときに「なんで今イラッとしたんだろ」と考えてみる
こういう小さな“思考のきっかけ”が、脳を立て直すスタートになる。
オレたちは、現場で毎日判断し続けてきた。
だから、本当は“考える力”をちゃんと持ってる。
それを取り戻すために必要なのは、ほんの少しの余白と気づきだけなんだ。