工場を辞めたい40代へ①:「辞めたい常連」だった私が、一度辞めて気づいたこと

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。

「工場を辞めたい。でも、本当に今辞めるべきなのか?」
自分の中の“モヤモヤ”と向き合った40代作業員の本音とは。

今日の申し送り:
「“辞めたい”と思ったら、自分の“底辺”を見直してみろ。それが固まってるかどうかが、動けるかの分かれ道だ。」

「辞めたい」って言葉、頭の中で何回つぶやいたかわからない。
でも結局、今日も出勤してる自分がいる。

給料はそこそこ。人間関係もまあまあ。
でも、どこかでずっとモヤモヤしてる。
「このまま何十年も、同じ毎日を繰り返すのか?」って。

俺もそうだった。
しかも、“一度ほんとに辞めた人間”だ。
だから言える。「辞めたい」と思ったときこそ、立ち止まって考えてみてほしい。


一部上場企業を辞めた40代作業員が語る“辞めた理由”

俺は、一部上場の工場に10年勤めた。
最初は派遣で2年。その後、正社員として8年。

県内でもトップクラスの給料。
福利厚生もよくて、職場環境も“ホワイト企業”って言われるレベル。
最年少で課内最優秀社員にも選ばれた。

…でも、俺は辞めた。

理由は、ハッキリとはわかってなかった。
ただ毎日、胸の奥がモヤモヤしてた。

「このまま、人生終わっていくのか?」
「気づけば40、50。何も変わらず、毎日ライン作業…?」

そんな不安が、少しずつ心をむしばんでいた。

ちょうどその頃、早期退職の募集があった。
そのとき、心の声が叫んでた。

「今しかない。抜け出すなら、今しかない」


「辞めたら自由になれる」と思っていた。でも現実は違った

辞めて最初の朝、目覚ましが鳴らなかった。
「うわ、今日から自由だ!」って、一瞬ワクワクした。

でも、数日もすれば現実が押し寄せてきた。

通帳の残高。
毎月の支払い。
「俺、いつまでこの生活もつんだろう…」って。

退職金を食いつぶす毎日は自由とはかけ離れた感覚だったと今では思う。

圧倒的不安。圧倒的孤独。圧倒的劣等感。

そんな気持ちに押しつぶされそうになっていた。

退職金が底をうち。

その後はいろんな仕事をやった。

期間工・花屋のバイト・バーテン・ピッキング・農業のスタートアップにも参加した

楽しいこともあった。
でも、どこか“地に足がついてない”感じがずっとあった。


お金・彼女・不安――再就職を決めた“現実的すぎる”理由

転機は、農業スタートアップがうまくいかなかった時。
ちょうどその頃、結婚を考えていた彼女がいた。

「このままじゃマズい」
「俺、守れるもの何もない」って思った。

その時、就活サイトで“工場求人”を検索した。
正直、吐きそうだった。

「またかよ…」
「俺、何のために辞めたんだっけ?」
あの単調な日々がフラッシュバックする。

でも、同時にこうも思った。

「金がない不安より、工場の単調さの方がまだマシだ」


再び工場に戻った理由

俺には工場の経験があった。
自動車の期間工で激務に耐えた日々もある。
だから、戻る自信はあった。

でも、できることなら――本当は、違う仕事がしたかった。
まったく新しい業界にも興味はあった。

ただ、当時の俺には精神的にも金銭的にも余裕がなかった
だから、再就職先に“安心”を求めてしまった。
結果、もう一度工場に戻ることを選んだ。

それは「負け覚悟」の就職と言わざるを得なかったかもしれない。


辞める前に確認すべき“底辺”の安定:準備できてるか?

辞めるのは悪いことじゃない。
でも、“辞める準備”もせずに飛び出すと、しんどい現実が待ってる。

俺が思う「底辺を固める」っていうのは、こういうこと。

  • 月1万円でも副収入を作っておく
  • 資格を一つでも取っておく
  • 固定費を見直して生活コストを下げておく
  • 1年くらいは無収入でも耐えられる貯金を作っておく

こういうのがあると、転職って“ハードル”じゃなくなる。

むしろ「次に進むための一歩」になる。


【まとめ】辞めたいと思ったら、自分の足元を見直してみろ

「辞めたい」と思うのは、自然なことだ。
俺も何度も思ったし、実際に辞めた。

でも――

「辞めたい」は、きっかけであって、答えじゃない。

まずは、自分の足元を見てみろ。
立てる地面があるか?
逃げても耐えられる力があるか?

“底辺”が固まっていれば、人生はちゃんと動く。
それが、俺の実体験から言える、たった一つの真実だ。

俺は一度、辞めた。
そしてまた、工場に戻った。

じゃあ、「辞めたことに後悔はないのか?」って聞かれたら――
正直、少しはある。
でもそれは、「辞めたこと」じゃなくて、**「辞め方」だったと思ってる。

何も準備せずに飛び出した先には、想像以上に“厳しい現実”が待ってた。

次の中編では、
俺が実際に感じた「辞めたあとのリアル」と、
なぜ40代の転職が甘くないのか、データも交えて本音で書いている。

👉 工場を辞めたい40代へ②:辞めたらどうなる?転職後に待っていた“厳しい現実”とは【パート2】

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半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。