工場を辞めたい40代へ②:辞める自由はある。でも「その後」は甘くない現実

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。

「辞めれば楽になる」は本当か?——40代の転職に待ち受けていた現実
勢いで辞めた先にあった、“知らなかった後悔”の正体とは。

今日の申し送り

「工場を辞める自由はある。でも“辞めたあとの現実”は覚悟しておけ。」


正直、辞めたときは「これで自由だ!」って思ってた。
でも、現実はそんなに甘くなかった。

転職活動が思ったより長引いたり、条件が思ったより下がったり、
「俺って、こんなもんだったのか…」って思う瞬間もあった。

辞めたことを後悔してるわけじゃない。
でも、「辞めればなんとかなる」は、だいぶ危ない考え方だったと思う。

「辞めればなんとかなる」は、なぜ危険な考え方なのか

辞めたいと思ったとき、人の頭の中はこう動く。
「ここがダメなんだ」「合ってないだけだ」「他に行けば、楽になれるはず」って。

でも、それって本当に“答え”なのか?

俺自身、一部上場の工場を辞めてから5年間、いろんな仕事を転々とした。
自由だった。でも、気づいたら、また同じ気持ちを繰り返してた。

花屋のバイトをしても、ピッキングをしても、農業スタートアップをやっても、
「このままでいいのか?」って、また考えてる自分がいた。

思えば、辞めたときの俺は、

“明日が見えない今”を抜け出したいだけだった
でも、「じゃあその次、どうする?」って問いには答えてなかった。


40代の転職がうまくいかない“現実”

よく言われる。
「辞めるのは自由だ」って。
確かにその通り。でも、自由になるには“体力”がいる。

40代で転職を繰り返すのは、想像よりもしんどい。
若いときは勢いで動けた。でも、今は違う。

  • 面接で「なんで辞めたんですか?」と聞かれる重み
  • 新しい職場で年下に教わるプレッシャー
  • 給料が下がる現実
  • “試用期間”という名の不安定な期間

これは、俺自身が体験したこと。
だから言える。

辞めるという“選択”は、体力と準備が必要な“行動”だ。


「もう限界だ」という人にこそ、考えてほしいこと

「いや、そんなこと言っても、もう心が限界なんだよ」
「毎日吐きそうで、職場のこと考えただけで動けない」

わかる。俺も経験した。

「このままこの現場にいたら、自分が壊れる」って感じたこともある。
だから、無理して耐えろなんて絶対に言わない。

ただ――“本当に限界なのか?”って、一度だけ冷静に問いかけてみてほしい。

  • 有給、ちゃんと取れてるか?
  • 同じ部署じゃなく、異動の道はないか?
  • 家計を少し軽くして、気持ちに余裕をつくれないか?
  • 誰かに話せてるか? ひとりで抱えてないか?

“辞める前にできること”は、案外まだ残ってるかもしれない。


「辞めたい気持ち」を爆発で終わらせず、“武器”に変える方法

実は、「辞めたい」という感情は、悪者じゃない。
あれは、“変わりたい”という自分からのサインだと思ってる。

問題は、その感情を**「破壊」に使うか、「準備」に使うか**だ。

俺は、前の職場を辞めるときに何も準備していなかった。
副業も、貯金も、資格もなかった。
「このままじゃヤバい」と思ったときには、もう手遅れだった。

だから今は、こう考えるようにしている。

  • 月1万円でも副業で稼いでおく
  • 生活費を見直して、固定費を下げる
  • 資格をひとつだけでも取っておく
  • 家族と“いざという時”の話をしておく

「辞めたい」と思っている今こそ、“次に進む準備”に向いているタイミングだ。


【データで知る】辞めたあとの後悔と、無職期間のリアル

ここまで読んで、「それでも辞めたい」って思ってる人もいると思う。
だからこそ、**冷静に“今の日本で転職するとどうなるか”**を数字で見てみてほしい。


40代の転職、「前より条件が良くなった」人は3割以下

厚生労働省の調査によると、40代で転職した人のうち、「前より給料や待遇が良くなった」と感じているのは全体の28.4%だけ
つまり、7割以上の人は「待遇が横ばいか、むしろ悪くなった」と感じている。

「辞めればなんとかなる」は、年齢が上がるほど通用しにくくなる現実がある。


辞めたあとに一番多い“後悔”は「準備不足」

リクルートの調査では、転職経験者のうち約4割が「もっと準備してから辞めればよかった」と後悔している。
その理由は、

  • 貯金が足りなかった
  • 情報収集が甘かった
  • 転職先の業界研究が不十分だった

→ つまり、「辞めたあとに考えよう」では遅いケースが多いということ。


無職期間は平均3〜6ヶ月。その間の“生活力”が鍵になる

転職サイトdodaの調べによると、中途退職後に再就職するまでの期間は、平均3〜6ヶ月
その間、無収入になる可能性が高い。

→ 特に家族持ちや持ち家ありの人にとっては、この数ヶ月がメンタルを削る要因になる。


これが、「辞めたあと」に起こりやすい現実。
逃げたくなるのもわかる。でも――逃げる前に、立てる足場を作っておこう。


まとめ

「工場を辞めたら、自由になれると思ってた。
でも実際は、自由と一緒に「孤独」「不安」「現実」もやってきた。

40代での転職は、思っている以上に体力と戦略がいる勝負だ。
準備がなければ、どんなに辞めたい気持ちがあっても、それはただの“現実逃避”で終わってしまう。

でも逆に言えば、準備さえ整っていれば、「辞める」は前向きな選択肢になる。

次の【後編】では、
俺が実際にやっている「辞める前の準備」や、
工場作業員が“ただの人”で終わらないための、具体的な行動と考え方を紹介していく。

👉 工場を辞めたい40代へ③:「ただの人」で終わらないために。辞める前にやるべき準備【パート3】

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半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。