「辞めれば楽になる」は本当か?——40代の転職に待ち受けていた現実
勢いで辞めた先にあった、“知らなかった後悔”の正体とは。
今日の申し送り
「工場を辞める自由はある。でも“辞めたあとの現実”は覚悟しておけ。」
正直、辞めたときは「これで自由だ!」って思ってた。
でも、現実はそんなに甘くなかった。
転職活動が思ったより長引いたり、条件が思ったより下がったり、
「俺って、こんなもんだったのか…」って思う瞬間もあった。
辞めたことを後悔してるわけじゃない。
でも、「辞めればなんとかなる」は、だいぶ危ない考え方だったと思う。
「辞めればなんとかなる」は、なぜ危険な考え方なのか
辞めたいと思ったとき、人の頭の中はこう動く。
「ここがダメなんだ」「合ってないだけだ」「他に行けば、楽になれるはず」って。
でも、それって本当に“答え”なのか?
俺自身、一部上場の工場を辞めてから5年間、いろんな仕事を転々とした。
自由だった。でも、気づいたら、また同じ気持ちを繰り返してた。
花屋のバイトをしても、ピッキングをしても、農業スタートアップをやっても、
「このままでいいのか?」って、また考えてる自分がいた。
思えば、辞めたときの俺は、
“明日が見えない今”を抜け出したいだけだった。
でも、「じゃあその次、どうする?」って問いには答えてなかった。
40代の転職がうまくいかない“現実”

よく言われる。
「辞めるのは自由だ」って。
確かにその通り。でも、自由になるには“体力”がいる。
40代で転職を繰り返すのは、想像よりもしんどい。
若いときは勢いで動けた。でも、今は違う。
- 面接で「なんで辞めたんですか?」と聞かれる重み
- 新しい職場で年下に教わるプレッシャー
- 給料が下がる現実
- “試用期間”という名の不安定な期間
これは、俺自身が体験したこと。
だから言える。
辞めるという“選択”は、体力と準備が必要な“行動”だ。
「もう限界だ」という人にこそ、考えてほしいこと
「いや、そんなこと言っても、もう心が限界なんだよ」
「毎日吐きそうで、職場のこと考えただけで動けない」
わかる。俺も経験した。
「このままこの現場にいたら、自分が壊れる」って感じたこともある。
だから、無理して耐えろなんて絶対に言わない。
ただ――“本当に限界なのか?”って、一度だけ冷静に問いかけてみてほしい。
- 有給、ちゃんと取れてるか?
- 同じ部署じゃなく、異動の道はないか?
- 家計を少し軽くして、気持ちに余裕をつくれないか?
- 誰かに話せてるか? ひとりで抱えてないか?
“辞める前にできること”は、案外まだ残ってるかもしれない。
「辞めたい気持ち」を爆発で終わらせず、“武器”に変える方法
実は、「辞めたい」という感情は、悪者じゃない。
あれは、“変わりたい”という自分からのサインだと思ってる。
問題は、その感情を**「破壊」に使うか、「準備」に使うか**だ。
俺は、前の職場を辞めるときに何も準備していなかった。
副業も、貯金も、資格もなかった。
「このままじゃヤバい」と思ったときには、もう手遅れだった。
だから今は、こう考えるようにしている。
- 月1万円でも副業で稼いでおく
- 生活費を見直して、固定費を下げる
- 資格をひとつだけでも取っておく
- 家族と“いざという時”の話をしておく
「辞めたい」と思っている今こそ、“次に進む準備”に向いているタイミングだ。
【データで知る】辞めたあとの後悔と、無職期間のリアル
ここまで読んで、「それでも辞めたい」って思ってる人もいると思う。
だからこそ、**冷静に“今の日本で転職するとどうなるか”**を数字で見てみてほしい。
40代の転職、「前より条件が良くなった」人は3割以下
厚生労働省の調査によると、40代で転職した人のうち、「前より給料や待遇が良くなった」と感じているのは全体の28.4%だけ。
つまり、7割以上の人は「待遇が横ばいか、むしろ悪くなった」と感じている。
→ 「辞めればなんとかなる」は、年齢が上がるほど通用しにくくなる現実がある。
辞めたあとに一番多い“後悔”は「準備不足」
リクルートの調査では、転職経験者のうち約4割が「もっと準備してから辞めればよかった」と後悔している。
その理由は、
- 貯金が足りなかった
- 情報収集が甘かった
- 転職先の業界研究が不十分だった
→ つまり、「辞めたあとに考えよう」では遅いケースが多いということ。
無職期間は平均3〜6ヶ月。その間の“生活力”が鍵になる
転職サイトdodaの調べによると、中途退職後に再就職するまでの期間は、平均3〜6ヶ月。
その間、無収入になる可能性が高い。
→ 特に家族持ちや持ち家ありの人にとっては、この数ヶ月がメンタルを削る要因になる。
これが、「辞めたあと」に起こりやすい現実。
逃げたくなるのもわかる。でも――逃げる前に、立てる足場を作っておこう。
まとめ
「工場を辞めたら、自由になれると思ってた。
でも実際は、自由と一緒に「孤独」「不安」「現実」もやってきた。
40代での転職は、思っている以上に体力と戦略がいる勝負だ。
準備がなければ、どんなに辞めたい気持ちがあっても、それはただの“現実逃避”で終わってしまう。
でも逆に言えば、準備さえ整っていれば、「辞める」は前向きな選択肢になる。
次の【後編】では、
俺が実際にやっている「辞める前の準備」や、
工場作業員が“ただの人”で終わらないための、具体的な行動と考え方を紹介していく。
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