残業依存から抜けだす方法。現場でできる小さな一歩

残業という沼に沈んでいく現場作業員のギャグ漫画風イラスト

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。

なぁ、ちょっと聞いてほしいんやけど。
オレ、昔は残業しまくりの働き方をしとった。毎月、残業時間は当たり前のように40時間オーバー。ひどい時は60時間、70時間。それでも当時のオレは、

「今月は手取り増えたぞ! よっしゃ!」

って、給与明細見てニヤニヤしながら家に帰ってたんよ。

でもある夜、遅れて家に帰ったら、リビングの電気だけついたまま、子どもが風呂にも入らずその場で寝落ちしとった。
パジャマにも着替えず、服のまま、ソファの端っこで丸くなって。

その姿を見た瞬間、胸の奥がギュッとなった。

「あれ……オレ、何のために働いとるんや?」

あの感覚は、今でもはっきり覚えとる。
会社から見れば「今日も一日よく残業してくれた社員のひとり」。
でも家族から見れば「今日もパパが帰ってこなかった日」なんよな。

ここから、オレの中で残業に対する考え方がガラッと変わっていった。
この記事は、その気づきと、そこから少しずつ残業に振り回されんようになっていった話や。


残業って本当に“得”してるんか?──まずは現場のリアル

「残業しても手取りが少なくガッカリする作業員の漫画イラスト」

「頑張った月の手取り」…実際どれだけ増えてた?

まず、冷静に思い出してみてほしい。
「今月めっちゃ残業したわ!」って月、手取りは何万円増えとった?

たぶん、多くて数万円ちゃうか?
オレもそうやった。期待して給与明細をひっくり返して見てみると、

  • 残業代:+3万
  • 手取り:+2〜3万

たしかに増えてはいる。けど、そのために削った時間を考えてみるとどうや?
平日毎日1〜2時間、土曜もちょい出勤。1ヶ月まるごと、家族と自分の時間を差し出して手に入ったのが“たった数万円”や。

それを「得」と呼べるかどうか、一回考えてみてほしい。

残業代は“ボーナス”やなく“たまたま降る雨”

現場で働き始めたころ、オレも残業代をボーナスみたいに感じてた。

「お、今月はちょっと稼げたわ!」

でも冷静に見たら、それってオレの実力で稼いだというより、
**「会社がたまたま忙しかった月に、たまたま雨のように降ってきたお金」**なんよな。

  • 忙しい月はドサッと残業を投げられる
  • 暇になったら「残業禁止!」の号令ひとつで、あっさりゼロ

こっちは家計を抱えて本気で生きてるのに、
会社は自分らの都合だけで残業の量を上下させてくる。

生活をかけているのはこっち。
都合で動いてるのはあっち。

このバランス、冷静に考えたらだいぶおかしい。

“スケベ残業”に付き合わされる時間ほどムダなもんはない

現場あるあるやけど、ほんまは定時で終わる量の仕事なのに、

  • わざと作業ペースを落とす
  • 無駄に休憩を長くとる
  • ダラダラ片付けしながら時間を引き延ばす

こうやって「今日は残業つけたいんやなぁ…」って空気を撒き散らすメンバー、おるやろ?

で、こっちは早く帰りたいのに、自分だけ帰ろうとすると

「お、今日は早いな〜」
「まだやることあるやろ?」

みたいな、なんとも言えん空気を出される。
いやいやいや、空気を読むために自分の時間を切り売りするって、どんな罰ゲームやねんって話や。

「残業したい人」に合わせて残るのは、
自分の人生のハンドルを他人に渡してるのと同じやで。

会社にとって残業は“理想の制度”、でもこっちのメリットはお金だけ

会社目線で見たら、残業って最高に都合がええ。

  • 忙しい時だけ、人を増やしたみたいに使える
  • 暇な時は「残業ゼロ」でコスト調整できる
  • 社員を増やさず、人手不足をごまかせる
  • 社員は「残業で稼げる」と思って喜んでくれる

しかも、こちらが効率化を提案して、残業抑制を訴えた時、
課長から出てきたあのセリフ。

「人件費なんて知れたもんや」

この一言がぜんぶ物語っとる。
会社から見たら、社員の時間なんて“安いコスト”。
多少残業してもらっても、それほど痛くない。だからすぐ頼んでくる。

でも、こっちにとってはちゃう。
その1時間の残業の裏には、

  • 子どもを風呂に入れる時間
  • パートナーと一緒にご飯を食べる時間
  • 自分の体を休める時間

こういう「二度と戻らないもの」が詰まっとる。

データで見ても、日本の長時間労働は“効率悪い働き方”

ちょっとだけ“社会性エビデンス”も話させてな。
いろんな調査でも、日本は長時間労働のわりに生産性(時間あたりの成果)が低いって言われとる。

要するに、

「長く働いとるけど、そのわりに稼げてへん国」

ってことや。

現場で働いとる人なら肌感覚で分かると思うけど、
疲れ切った頭と体で続ける仕事は効率ガタ落ちやし、ミスも増える。
「量をこなしているように見えて、実はロスが積み重なっているだけ」というパターンも多い。

実際は残業ありきで生産組みよるから、効率化意識がとことん薄いのが実態じゃろな。

結論──残業は“安定したお得な収入”やなく、“ご機嫌取りの一時金”

ここまでまとめると、残業ってのは、

  • 収入としては不安定
  • 会社都合で増えたり減ったりする
  • 周りの空気に振り回されやすい

っていう、かなり危なっかしい土台の上に立ってる。

「今月残業多かったし、ちょっと贅沢してもええか!」

と舞い上がるのは自由や。
でもその裏で、着実に削られている“何か”があることは、
どこかで一回ちゃんと見とかんとあかん。


残業の“本当の代償”──お金より重たいものを削ってないか?

残業で帰宅が遅くなり、リビングで寝落ちした子どもを見る父のイラスト

子どもが風呂にも入らず寝落ちしていたあの日

さっき言ったけど、オレにとって一番刺さったのが、
子どもがリビングで寝落ちしてたあの夜や。

  • 今日は遅くなるって分かっていても、どこかで「起きててくれるかも」と期待する
  • 玄関をそっと開けたら、部屋は明るいのに誰も動かん
  • 覗いたら、子どもが風呂も入らんと、丸まって寝てる

その瞬間に出てきたのが、

「オレ、何のために働いとるんや?」

という言葉やった。

会社にとっては、

「今日も残業してくれて助かったわ」

で終わり。
でも家族の側からしたら、

「今日もパパは帰ってこなかった」

と記憶される日や。

“食う・風呂・寝る”だけの人生になってないか?

残業が続くと、1日の流れがこう固定されていく。

  • 朝、眠い目こすって出社
  • 昼間はバタバタ仕事
  • 夕方にはヘトヘトやのに、ここからが本番みたいに残業
  • 夜遅く帰ってきてシャワー浴びて、飯かき込んで寝るだけ

これを何ヶ月も続けてみ。
ある日ふと鏡を見たら、
「あれ? なんか自分の顔、死んだ魚の目してへんか?」
って思う瞬間が来る。

“生きるために働く”はずが、
いつのまにか“働くために生きてる”になってた。
これに気づいた時の虚しさは、正直、体の疲れよりキツい。

残業を頑張っても、評価はほとんど上がらない現実

現場では、「いつでも残業を受けてくれる人」はたしかに重宝される。
でもそれは **“評価される” というより “都合よく使いやすい”**という意味に近い。

  • 忙しい時は真っ先に声がかかる
  • 暇になったら「もう大丈夫」と切られる
  • 残業時間が増えても、昇格・昇給にはほぼ反映されない

上からしたら、

「あいつは残業してくれるから助かる」

という“便利なコマ”なんよな。

その縮図が、

課長の「人件費なんて知れたもんや」

って言葉に全部出てる。

未来工業の「残業禁止」が示してくれているもの

岐阜の電設資材メーカー・未来工業は、
残業全面禁止・報連相禁止・でも黒字経営という変わった会社や。

そこで創業者が言っていたのが、

「残業なんてのは、会社の管理能力が低いという証拠だ」

って言葉。
長時間働かせて“頑張ってる感”を出してるだけで、
本来は仕組みで効率を上げるべきやろ、という考え方や。

海外でも、

  • 残業しまくる社員 = 仕事の組み立てが下手な人
  • 残業せず成果を出す社員 = 優秀な人

と見られる文化が主流になりつつある。

日本だけがいまだに、

「長く残ってる=頑張ってる」

という昭和の価値観を引きずっとる。

結論──残業で増えるのは数万円、失うのは“二度と戻らない時間”

ここまで整理すると、残業で増えるのはせいぜい数万円。
でも失っとるのは、

  • 子どもと遊べた時間
  • パートナーと笑いながら飯食えた時間
  • 体を休めて回復できたはずの時間
  • 趣味や勉強にあてられたであろう時間

こういう**「人生の余白」全部**や。

お金は、後から取り返すチャンスがある。
でも子どもが待っていた“あの夜の30分”は、二度と戻ってこん。


じゃあなぜ、オレたちは残業に頼ってしまうのか?

巨大な『残業』という文字に必死でしがみつき、不安そうな表情を浮かべる工場作業員を描いた白黒の漫画イラスト

“残業してなんぼ”という古い価値観の呪い

まずデカいのは、昭和時代から続く価値観や。

  • 「残業こそ男の稼ぎ方や」
  • 「定時で帰るやつは半人前」
  • 「働けるうちは働いとけ」

こういう言葉を浴びて育つと、
**「残業してない自分=ダメな自分」**みたいな感覚が、無意識に刷り込まれる。

でも現実はどうや?
物価も税金も上がりっぱなしで、
昔みたいに「残業すりゃするほど豊かになる時代」やない。

基本給が低い&昇給ほぼナシの給料設計

製造・物流・建築みたいな現場の給料体系は、
たいていこうなってることが多い。

  • 基本給は抑えめ
  • 昇給は年に数千円レベル
  • ボーナスも不安定
  • 「残業込み」でようやく生活できる前提

つまり会社としては、

「残業してもらわんと生活成り立たんような基本給」

にわざと設計してるとも言える。

実際オレも、交代勤務を抜けて定時メインの働き方に変えようとしたとき、
課長からこう言われた。

「お前、基本給だけじゃ生活きついやろ?
交代勤務、戻らんか? 心配しとるんぞ〜」

いやいや、絶対“心配”ちゃうやろと。
人手足りんから、ただ戻したいだけやろと。

でもこの一言でハッキリ分かった。

「会社は、社員が“残業なしでは暮らせない”前提で給料を組んでる」

だからこそ、残業に頼らざるを得ん人が増える。
そしてその仕組みの上で、会社はずっとあぐらをかいていられるわけや。

60代のおっちゃんは“税金の壁”を知ってるから残業を断る

もうひとつ、おもしろい対比がある。
現場の60代のおっちゃん連中は、年金+勤務で働いとる人も多い。

そういう人に限って、こう言うんよ。

「マサルくん、ワシ残業したら税金で全部持ってかれるから断っとるんや」

つまり、

  • 余計に働いた分が、そのまま税金や社会保険で持っていかれる
  • 年金の調整も入るから、トータルで見ると損

ってことを、ちゃんと体感で分かっとる。

若い世代は「残業せんと手取り足りん…」と追い込まれ、
上の世代は「残業したら損やからやらん」とサラッと断る。

どっちにしても、
残業が“みんなを幸せにする仕組み”にはなってへんってことや。

会社にとって残業は“超都合のええ調整弁”

さっきも触れたけど、会社にとって残業は、

  • 忙しいときだけ人を増やした扱いになる
  • 暇なときは一瞬でゼロにできる
  • 正社員を増やすリスクを取らなくていい

という、超便利な仕組み。

だから平気で、

課長の「人件費なんて知れたもんや」

みたいな発言が出てくる。

こっちにとっては命の時間。
あっちから見れば、調整しやすいコスト。

このギャップはずっと埋まらん。

“みんな残ってる”という空気圧力

現場のもう一つの敵は、“空気”や。

  • 周りが残ってると、自分だけ帰りにくい
  • スケベ残業組に合わせないと「空気読めへん」と言われる
  • 早く帰ろうとすると「今日は早いな?」と軽くジャブ

こういう見えない圧力に、毎日少しずつ押されていくと、
自分の意志で残業してるのか、
空気に流されて残業してるのか、分からんくなってくる。

人間は「失うこと」に過敏に反応する生き物

心理学的にも、人間は

得する喜び < 失う痛み

で動くと言われてる。
残業を減らしたときに、

  • 手取りが減るかもしれない
  • 生活が苦しくなるかもしれない
  • 周りから文句言われるかもしれない

この「かもしれない」が怖くて、一歩が踏み出せん。

でも、それは“弱さ”やなくて自然な反応や。
あかんのは、自分を責めて何も変えようとせんことの方や。


残業に振り回されないために──現場でもできる“小さな一歩”

少し早く帰宅し家族との時間に価値を感じる父親の漫画イラスト

ここからが一番大事なところや。
いきなり「残業ゼロにしよう!」なんて無茶は言わん。
カルピスの原液を一気飲みするみたいなマネをしたら、絶対続かへんからな。

やることは、あくまで 「現場で今日から試せる一歩」 だけや。

「残業ゼロでも生きられるライン」を一回計算してみる

まずは紙とペン一本でできることから。

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 食費
  • 通信費
  • 車・ガソリン代
  • 子ども関連
  • サブスク

これを全部書き出して、
「残業なしの基本給だけで、どこまで払えるか?」を一回計算してみる。

ここで大事なのは、
「足りひんから終わり」やなくて、「じゃあどこ削れそう?」までセットで考えること。

オレもこれを徹底的にやって、

基本給だけで生活しても、おつりが出る

くらいまで支出を最適化した。
その土台があったからこそ、課長に

「交代勤務戻らんか?」
「残業した方が楽やぞ〜」

と言われても、

「結構です」

と、間髪入れずに言えた。

この 「残業ゼロでもギリギリ耐えられるライン」 を知ることが、
残業に振り回されんためのスタート地点になる。

残業代は“メイン収入”やなく“あぶく銭扱い”にする

次の一歩は、残業代の位置づけを変えることや。

残業代 = 生活費の補填

やなく、

残業代 = たまたま降ってきたボーナス

と考える。

  • 残業代は基本、貯金・投資・予備費に回す
  • 生活費は、できるだけ基本給で完結させる

こうすると、残業が急になくなっても、
家計が即死することはなくなる。

定時内で終わらせる小技をちょっとずつ増やす

「仕事が早い人=残業が少ない人」
今の時代、評価されるのはこっちや。

別にすごい才能はいらん。
やれることはこんな小さいことばっかりや。

  • 朝イチにその日の段取りをメモる
  • 探し物をなくすために整理整頓する
  • 無駄話を5分減らす
  • 手が空いたら、1分だけでも人の仕事を前倒しで手伝う

この「ちょっと」が積み重なると、
“定時で帰れる日”がポンッと増える

“帰るための言い訳”をひとつ持っとく

現場では、“正しいこと”より“空気”が勝つ場面が多い。
だからこそ、空気に呑まれんための“防具”として、

  • 「今日は保育園のお迎えなんで」
  • 「このあと通院なんで」
  • 「家の用事で、今日は早く帰るよう言われてて」

こんな“帰る理由”を一個持っとくと、かなり楽になる。

最初は言い出しにくいかもしれんけど、
一度口にしてみたら意外とあっさり通ったりする。
それを繰り返せば、周りも、

「あいつはそういう日がある人」

として認識してくれるようになる。

躊躇なく堂々と一切の迷いなく、まっすぐに言い切る事が大事だ。

“家族の時間を優先していい”と自分に許可を出す

最後の一歩は、考え方の問題や。

  • 「家族のことより仕事優先」
  • 「稼ぐのが男の役目」
  • 「家庭より工場」

こういう価値観で育ってきた世代ほど、
家族時間を取ることに罪悪感を感じがちや。

でも、あの 子どもが風呂も入らず寝落ちしてた夜 を思い出してほしい。
あの瞬間の胸の痛みこそが、本当の答えなんやと思う。

家族は未来の自分や。
残業はその場しのぎの追加収入や。

どっちを大事にするかは、本当はもう分かってるはずや。


最後に──残業に人生を支配させるな。「誰のために働いとるんや?」を忘れへんこと

ここまで読んでくれてありがとう。
別にオレは「残業するな」とか「今すぐ辞めろ」なんて言うつもりはない。

  • 住宅ローンがある
  • 子どもの学費が心配
  • 貯金がまだ少ない

いろんな事情があるのは分かっとる。
だからこそ、いきなりゼロにするんやなくて、「振り回されない状態」に近づいてほしいんよ。

  • 残業ありきで生活を組まない
  • 残業がゼロになっても、即死しない家計を作る
  • 家族の時間を削る残業には、一回“待った”をかけてみる

そして、夜遅く帰った日。
子どもの寝顔を見たとき、心の中でこう自分に聞いてみてほしい。

「オレ、誰のために働いとるんや?」

この問いを忘れへん限り、
きっとあんたは、残業に支配されるんやなくて、
自分の時間と人生を取り戻す側に回れるはずや。

  • この記事を書いた人

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。