武田信玄に学ぶ!工場現場リーダーのための「適材適所」の配置術

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。

人員配置のミスは「フォーメーションを間違えたサッカーチーム」のようなもの。

サッカーの試合でゴールキーパーをストライカーに、ディフェンダーをオフェンスに置いたら、勝てるはずがない。にもかかわらず、工場の現場では、適性も考えずに適当な人選で回そうとするリーダーが後を絶たない。

今日の申し送り

「人を活かす」ことができないリーダーは、組織を潰す。適材適所の配置こそが、現場のパフォーマンスを最大化する鍵だ!


「このメンバーじゃ仕事が回らない…」その悩み、配置の問題かも?

現場リーダーの仕事の中でも、「人の配置」 はめちゃくちゃ重要だ。
「なんでこの人、こんなに仕事できないんだ?」
「このメンバーでやれって言われても、正直キツイ…」
こんな悩みを持っているリーダーも多いはずだ。

でもちょっと待ってほしい。
その部下、本当に「仕事ができない」んだろうか? もしかすると、適性に合っていないだけかもしれない。

実は、日本戦国史最強レベルの武将 武田信玄 は、「適材適所の配置」で最強の軍団を作り上げた人物だ。
彼のやり方を現場に応用すれば、今のメンバーでももっと戦える部隊(=現場チーム)を作ることができるかもしれない。

本記事では、武田信玄の人材配置術を学び、現場の人員配置を改善する方法を紹介 する。
さあ、戦(しごと)に勝てる組織を作ろうじゃないか!


■ 武田信玄の「適材適所」戦略とは?

武田信玄といえば「風林火山」で有名な戦国大名だ。
彼の軍団は**「最強の騎馬軍団」** と呼ばれ、戦国時代を席巻した。
しかし、彼の強さの秘密は「戦術」だけではない。「人の使い方」 にこそあったのだ。

人は使い方次第

武田信玄の軍には、非常に勇敢で攻撃的な武将もいれば、慎重で臆病とも言える性格の武将もいました。一般的に、戦場では勇敢な者が重宝され、臆病者は評価されにくいものですが、信玄は違いました。

信玄は、ある臆病な武将を戦場で重要な**「目付け役(監察官)」**として配置しました。目付け役とは、軍の状況を冷静に観察し、問題点を報告する役職です。

この武将は慎重な性格ゆえに、**「敵の動きをよく観察し、小さな異変でもすぐに気づく」**という長所を持っていました。その結果、敵の奇襲や伏兵の存在をいち早く察知し、何度も武田軍の危機を救ったと言われています。

信玄人事登用のポイント

  1. 人の短所は、見方を変えれば長所になる
    • 「臆病」とされる性格も、「慎重で細かいことに気づく」と捉えれば強みになる。
  2. 適材適所の配置が組織の力を最大化する
    • ただの戦闘要員として扱っていたら埋もれてしまう才能も、適切な役職に就けることで大いに活躍できる。
  3. 信玄のリーダーシップ
    • 武田信玄は「すべての人材には適した役割がある」と考え、短所をうまく活かす配置を行っていた。

工場勤務にも応用できる!

この話は、工場や職場でも活かせます。

  • 仕事は遅いがミスをしない人 → 品質管理に向いているかもしれない
    → 細かい点に気づける力を活かせる。
  • 話すのが苦手な人 → 一人で集中する作業が向いているかもしれない
    → 事務作業や検査業務で力を発揮できる。
  • 細かいことを気にしすぎる人 → 安全管理やチェック業務に適しているかもしれない
    → ヒヤリハットの発見が得意になる。

戦国最強騎馬軍団

武田信玄のように、人の特性を見極め、適材適所の配置を意識すれば、チームの力を最大限に発揮できるはずです!

信玄の家臣たちは、それぞれ得意分野に特化して配置されていた。

  • 山県昌景(やまがた まさかげ):騎馬隊の指揮官。冷静かつ的確な判断力があり、機動戦に長けていた。
  • 高坂昌信(こうさか まさのぶ):防御の名人。城攻め・守りの配置を完璧にこなした。
  • 馬場信春(ばば のぶはる):統率力が高く、味方の士気を上げる天才。現場のまとめ役。
  • 内藤昌豊(ないとう まさとよ):知略に優れ、敵の裏をかく作戦を得意とした。

このように、信玄は「適材適所」を徹底し、それぞれの強みを最大限に活かしたのだ。

これは、現場の人員配置にもそのまま応用できる考え方だ。
「誰をどこに配置するか?」で、チームの力は大きく変わる。


■ 工場現場で起こりがちな「配置ミス」

実際の工場現場でも、「適材適所」ができていないと、こんな問題が起こる。

スピード重視の作業に、慎重すぎる人を配置する
→ いつまでも作業が終わらず、効率が悪くなる。

チームワークが求められる工程に、協調性のない人を配置する
→ トラブルが増え、現場がギスギスする。

細かい確認が必要な工程に、大雑把な性格の人を配置する
→ ミスが増え、手戻りが発生し、結局生産性が下がる。

こうしたミスマッチは、本人の努力だけではどうにもならない
リーダーが「この人はこの仕事に向いているか?」を見極めなければ、チームはまともに機能しない。


■ 適材適所ができないと、現場はどうなるか?

もし、武田信玄が適材適所を無視して、こんな配置をしていたらどうなっていたか想像してほしい。

❌ 騎馬戦の名人・山県昌景に、守備専門の役割を与えたら?
→ 彼の機動力は活かせず、普通の武将に成り下がる。

❌ 知略家・内藤昌豊に、突撃戦の指揮をさせたら?
→ 頭を使う戦術ができず、敵の罠にはまる可能性が高くなる。

これ、工場でも同じことが言える。
適材適所ができなければ、せっかくの人材も本来の力を発揮できず、無駄になってしまう のだ。


■ まとめ:適材適所は「配置の工夫」で解決できる

武田信玄のような強いチームを作るには、「個々の能力を見極め、適材適所に配置すること」が不可欠だ。
そして、それは現場リーダーである 「あなた」 にしかできない仕事だ。

人の適性を見極め、最適なポジションに配置する
配置を変えることで、チームの力を最大限に引き出す
「この人はダメ」ではなく、「この仕事に合っていないだけかも?」と考える

この視点を持つだけで、今のメンバーでも戦えるチームを作ることができる

では、具体的に 「どうやって適材適所を見極め、配置すればいいのか?」
次の中編では、「人の特性を見抜く方法」と「配置の具体例」 を深掘りしていこう!

【中編】武田信玄に学ぶ!現場リーダーのための「適材適所」の見極め方と配置戦略

■ 適材適所のために必要な「人の見極め力」

前編では、武田信玄が家臣たちを適材適所に配置することで、最強の軍団を築いた話をした。
では、現場リーダーはどうやって部下の適性を見極め、最適な配置を決めればいいのか?

まず大事なのは、「人の強み・特性を知ること」 だ。
適材適所とは、「ダメなやつを切ること」ではなく、「その人の能力を活かせる場所を見つけること」だからだ。


■ 人の特性を見抜く3つのポイント

部下の適性を見極めるためには、以下の3つのポイントをチェックしよう。

① 【動き方】 じっくり派 or スピード重視派

人には、「慎重にじっくりやるタイプ」 と、「とにかくスピード重視で動くタイプ」 がいる。

  • じっくり派:正確性が高いが、スピードは遅め。品質管理や検品などに向いている。
  • スピード派:手が速く、作業スピードは速いが、ミスが出やすい。流れ作業や単純作業に向いている。

配置ミスの典型例として、「じっくり派」をスピード重視の工程に置いてしまうことがある。
この場合、「もっと早くしろ!」と指示しても無意味だ。適性に合わない仕事をしているだけだから、配置を変えれば解決することが多い。

② 【考え方】 創意工夫型 or 指示待ち型

  • 創意工夫型:「こうした方が良くないですか?」と改善提案ができるタイプ。新しい工程やトラブル対策に強い。
  • 指示待ち型:言われたことを正確にこなすことが得意なタイプ。ルーティン作業向き。

工場現場では、改善提案を出せる創意工夫型を「めんどくさいヤツ」と扱ってしまうことがあるが、それは大きな間違いだ。
このタイプは「品質向上」や「生産効率の改善」に貢献できる貴重な人材だから、上手く活用するべきだ。

③ 【コミュニケーション力】 チーム向き or 個人向き

  • チーム向き:周囲と連携しながら動くのが得意なタイプ。ライン作業やチームワークが必要な現場に向いている。
  • 個人向き:黙々と一人でやる方が得意なタイプ。細かい作業や集中力が求められる仕事に向いている。

人間関係のトラブルは、適性に合わない配置が原因になっていることが多い。
例えば、「個人向き」の人をチーム作業に入れると、コミュニケーションが苦手で孤立しやすくなる。
逆に、「チーム向き」の人を一人作業にすると、退屈してやる気をなくしてしまう。

生産効率を重視するあまり個人向きの人材をチーム作業に配置していまい、チーム内の摩擦に発展するケースはあまりにも多い。結果、生産効率もチームのモチベーションだだ下がり。リーダーが人を見ていない典型だ。


■ 適材適所を実現する「配置の考え方」

部下の特性が見えてきたら、次は「どこに配置するか?」を決める段階だ。
ここでは、工場現場でよくある工程を例に、適材適所の配置パターンを紹介する。

【パターン①】 流れ作業がメインの現場

スピード派(手が速い) → 加工・組み立て工程に配置
じっくり派(正確性が高い) → 検品・品質チェックに配置

流れ作業の現場では、「作業スピード」と「ミスの少なさ」のバランスが重要になる。
スピード派はどんどん作業を進められるが、ミスも出やすい。
そこで、ミスがないかを確認する役として、じっくり派を配置するとバランスが取れる。

【パターン②】 チームワークが求められる工程

チーム向きの人材 → ライン作業や複数人での組み立て作業に配置
個人向きの人材 → 研磨・塗装・修理など、1人で集中する仕事に配置

このパターンでは、「周囲との連携」が必要かどうかを基準にして配置を決める。
例えば、個人向きの人をチーム作業に入れると、「空気が読めない」「協力できない」と思われがちだ。
逆に、チーム向きの人を1人作業にすると、「誰とも話せないのがストレス」となり、モチベーションが下がる。

【パターン③】 改善が求められる現場

創意工夫型 → 工程改善や新人教育の役割を任せる
指示待ち型 → 標準化された作業工程を担当させる

現場を良くするためには、「新しいアイデアを出せる人」が必要だ。
創意工夫型の人材を積極的に活用し、改善活動に関わらせることで、現場全体の効率が上がる。
逆に、指示待ち型の人には、「決められたことを正確にこなす工程」を任せると、安定した品質が保てる。


■ まとめ:「この人にこの仕事は向いているか?」を常に考えよう

武田信玄は、家臣の強みを見極め、それぞれの能力を最大限に発揮できる配置をした。
工場現場のリーダーも、同じように部下の適性を見極め、最適な配置をすることが求められる。

人の特性(スピード、考え方、コミュ力)を見抜く
作業工程の特性とマッチさせる
向いていない仕事をやらせて苦しませるのではなく、適性に合った仕事を任せる

この視点を持つだけで、現場の生産性は大きく向上する。
では、次の後編では「適材適所をさらに活かすためのリーダーの役割」と「実践例」を紹介しよう!

【後編】武田信玄に学ぶ!現場リーダーが実践すべき「適材適所」配置の極意

■ 適材適所の配置を成功させるために、リーダーがやるべきこと

前編・中編で、適材適所の重要性と、部下の適性を見極める方法を説明した。
だが、知識を得ただけでは意味がない。
大事なのは 「実際に配置を変えて、現場のパフォーマンスを上げること」 だ。

武田信玄は、部下をただ配置するだけでなく、彼らが 「自分の強みを活かせる環境」 を作り、結果を出させた。
それと同じように、現場リーダーにも「適材適所を活かすための仕掛け作り」が求められる。

ここでは、リーダーが実践すべき3つのステップ を紹介する。


■ 【ステップ①】部下の適性を見極め、試験的に配置を変える

人の適性は、一緒に仕事をしながら見極めるのが一番だ。
ただし、適性を判断するには 「実際にやらせてみる」 ことが不可欠だ。

まずは「試験配置」をやってみる
いきなり配置を固定するのではなく、「まず1週間、この工程でやってみよう」 という形でテストをする。
試験的に配置を変えることで、本人の反応や成果をチェックできる。

「合わない」と感じたらすぐに修正する
適性が合っていないと感じたら、無理に続けさせず、別の仕事に回す。
人は「向いていない仕事」にはストレスを感じ、ミスや不満が増える。
配置ミスを放置せず、すぐに修正できるようにすることが重要だ。

部下に「どう感じたか?」をヒアリングする
試験配置の後は、本人の意見も聞いてみよう。
「やりやすかったか?」「難しかったか?」などを確認することで、適性を見極めるヒントが得られる。


■ 【ステップ②】配置を定着させ、パフォーマンスを最大化する

試験配置で適性が見えてきたら、次は「定着させる段階」だ。
ここで重要なのは、部下が自分の役割に自信を持ち、やる気を出せる環境を作ること だ。

「お前の役割はココだ」と自覚させる
配置を決めたら、部下に明確に伝える。
「お前はこの仕事が得意だから、ここで活躍してほしい」と伝えることで、本人も自覚を持つようになる。
人は、「自分が必要とされている」と感じると、仕事への意欲が上がる。

「その役割で成長するためのサポート」をする
配置が決まっても、最初は慣れない部分もある。
リーダーとして、成長をサポートしながら見守ることが大事だ。

  • 「ここはよかったぞ!」と 強みをフィードバック する
  • うまくいかない部分は、 改善のアドバイス をする

適材適所は、配置したら終わりではなく、配置した後の成長をどうサポートするかがカギ となる。


■ 【ステップ③】適材適所をさらに活かす「チームビルディング」

最後に、適材適所の配置をさらに活かすためには、「チームとしての動き方」 も考えなければならない。
ただ配置を決めるだけでは、チームとしてのまとまりが生まれない。
リーダーとして、チームのバランスを取りながら、相乗効果を生む仕組みを作ることが大切だ。

チームメンバーに「役割」を理解させる
例えば、武田信玄の軍団では、それぞれの役割が明確だった

  • 山県昌景は「突撃隊」
  • 高坂昌信は「防御の専門家」
  • 馬場信春は「全体の統率者」

工場現場でも同じことが言える。
「お前は加工担当」「お前は品質チェック担当」「お前は工程改善担当」と、各自の役割を明確にすることで、チームとしての機能が向上する。

「お互いの強み」を理解させる
リーダーが各自の適性を理解するだけでなく、チームメンバー同士にも、お互いの強みを理解させること が重要だ。
例えば、

  • 「Aさんは作業スピードが速いから、加工を任せよう」
  • 「Bさんは細かいミスを見つけるのが得意だから、検品をお願いしよう」
    といった形で、お互いの強みを認識させることで、無駄な衝突が減り、スムーズな連携が生まれる。

配置を「固定」しすぎない柔軟性を持つ
適材適所は重要だが、時には「ローテーション」を取り入れることも有効だ。

  • 短期間の異動で、チームの多様性を高める
  • 他の役割を経験させることで、より適性が見えることもある

一度決めた配置にこだわりすぎず、「より良い配置はないか?」と常に考えることで、さらにチーム力が上がる。


■ 実践例:「適材適所の配置変更でチームが劇的に変わった」

ここで、実際に適材適所の配置を工夫することで、現場の状況が大きく改善したケースを紹介する。

【ケース①】

問題点:「スピード重視の工程に、慎重派の社員を配置してしまい、作業が遅れていた」
改善策:「慎重派を品質チェック工程に回し、スピード派をメイン作業に配置した」
結果:「スピード派が作業を進め、慎重派がミスを減らす形になり、生産効率が20%アップ!」

【ケース②】

問題点:「コミュニケーションが苦手な社員を、チーム作業の工程に配置してしまい、トラブルが多発」
改善策:「その社員を1人で集中できる作業に回し、チーム作業には協調性のあるメンバーを配置」
結果:「人間関係のストレスが減り、作業のミスも減少!」

適材適所の配置は、単に「向き不向きを考える」だけではなく、「どうすればチーム全体のパフォーマンスが上がるか?」を考えることが重要 なのだ。


■ まとめ:適材適所ができるリーダーが、現場を強くする!

人の適性を見極め、試験的に配置を変える
適性に合った配置を定着させ、成長をサポートする
チームの役割を明確にし、お互いの強みを理解させる

これができるリーダーは、現場の生産性を飛躍的に向上させることができる。
武田信玄のように、「人を活かす」ことで、最強のチームを作ろう!

【総まとめ】武田信玄に学ぶ!現場リーダーの「適材適所」配置術

適材適所ができないリーダーは、現場を潰す。
部下のパフォーマンスが低いのは、本人の問題ではなく、配置ミス が原因であることが多い。

■ 【前編】適材適所の重要性

武田信玄は、家臣の強みを活かし、最強の軍団を作り上げた。
工場現場でも、適正な配置 ができないと、生産性の低下やストレス増大を招く。

■ 【中編】部下の適性を見極めるポイント

適材適所を成功させるには、以下の3点をチェックすることが重要。
動き方:スピード派 or じっくり派
考え方:創意工夫型 or 指示待ち型
コミュ力:チーム向き or 個人向き

■ 【後編】リーダーが実践すべき配置戦略

  1. 試験配置 で適性を見極める
  2. 役割を明確に し、成長をサポート
  3. チーム全体のバランスを考えた配置 を行う

適材適所を極めれば、今のメンバーでも「戦えるチーム」を作れる!
要は組み合わせがとても大事だって事。

あとは実践あるのみ。目指せ令和の名将リーダー

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半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。