年収より大事なのは“残るお金”|高所得でもカツカツになる日本の仕組み

給料から次々にお札が消えていく様子を描いた2Dイラスト。人物は困惑した表情で空っぽの手を見つめている。税金や社会保険の“見えない負担”を象徴している構図。

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。

「うち、夫婦で1000万以上稼いでるのに、全然ラクにならんのよ…」

こないだ、昔からの知り合いがそんなことを言ってた。
税金が高い、補助が受けられない、ローンで首が回らん──そうぼやいてた。

オレはちょっと黙ってしまった。
というのも、昔のオレもまさにそうやったから。

家を建てて、車を持って、子ども育てて、がむしゃらに働いてた。
でも、気づいたら時間もお金も、心の余裕もどんどん削れていってた。

今はというと、収入は減ったけど、うちは低コストな“損しない暮らし”。
家も車も見直して、補助制度もうまく使ってる。

結果、前よりずっと気持ちに余裕がある。

実はこれ、オレだけの話ちゃう。
国税庁の調査でも、年収1000万円世帯の手取りは700万円ちょっとしか残らないって言われてるし、
「頑張ってるのに報われない」って家庭は、そこら中にある。

この記事では、**「なぜ“高収入=余裕”にならないのか?」**を、数字と現場目線で掘ってみた。

ピンと来た人は、ちょっとだけ立ち止まってみてほしい。
もしかしたら、“稼ぎ方”と“暮らし方”が、ズレてるだけかもしれんから。

共働きで年収1000万円なのに、なぜ生活が苦しいのか?

税金と社会保険にむしられている」構図

「収入が増えれば、生活に余裕が出る」──
そう思うのが普通やと思う。

でも現実は、その“増えた分”ががっつり引かれて消えてる


高収入なのに「手取り」が少ない理由とは?

日本の税制は「累進課税」って仕組みになってて、
年収が上がるほど、所得税の税率も一緒に上がっていく

さらに、

  • 住民税(市民税+県民税)
  • 健康保険料
  • 厚生年金
  • 介護保険料

これらも、所得に応じてどんどん上がるようにできてる。


年収1000万円でも、手元に残るのは700万ちょっと

例えば共働きで世帯年収が1260万円あったとしても、
年間で430万円くらいが税金・社会保険で引かれる。

つまり、実質の手取りは830万円前後。

国税庁の調査(令和5年)でも、
年収1000万プレイヤーの手取りは平均700万円台前半と言われてる。


見えない出費が家計を圧迫している

会社勤めの人の多くは、
これらがすべて給与天引きで自動的に処理されるから、
自分で計算する機会がほぼない。

だからこそ、「手取り少ないなぁ…」と思っても、
“どこに消えてるのか”がピンと来ない人も多い。

でも、仕組みを知るとわかる。

「がんばった分だけ引かれる仕組み」になってるんや。


🔚 小まとめ

高年収でもラクにならない理由は、「稼ぎの3分の1を国に差し出してる」から。それに気づいてる人は、意外と少ない。

それでも手取りが800万円前後あるなら余裕じゃないのって思うかもしれないけど、実際はそんな単純な話ではない。

補助が受けられない「中間層クラッシャー」の正体

「1000万世帯のはずなのに…」という違和感

たしかに、「手取り800万あるなら余裕やん」って思うかもしれん。
でも現実は、そんな単純な話ちゃう


児童手当・保育料・医療費…年収で差がつく制度

たとえば──

  • 児童手当が減額 or 打ち切り(年収1200万前後で完全カット)
  • 保育料がMAXになる(住民税ベースで決まる)
  • 医療費助成、塾代補助、学費支援なども対象外

つまり、そこそこ稼いでる家庭ほど、「対象外です」って言われることが増えていく。

「世帯年収別の児童手当支給額と保育料負担額(月額)」を示したグラフ

たとえば児童手当は、扶養親族2人の場合、年収960万円を超えると特例給付(月5,000円)に減額される
保育料も同様で、高所得層は無償化対象外になるケースが多く、年収次第で月数万円の差が出る
【厚生労働省・文部科学省「子育て支援制度の手引き」より】。


それでいて、出費はちゃんと増える

家族が増えれば、
教育費もかかるし、車だって必要。
収入が多い=それに見合った生活設計に引っ張られる。

結果、こうなる👇

「支援は受けられないけど、支出はガンガン増えていく」


「支援されない層」がいちばん苦しい理由

これ、調べると分かるけど、
多くの支援制度は「年収700万未満」や「住民税非課税世帯」に手厚く作られてる。

中途半端に稼いでる世帯は…

  • 税金・保険料の負担はガッツリ
  • 各種補助からはじかれる
  • 「見た目リッチ」で実態カツカツ

こういう家庭、実は日本中にゴロゴロある。


だから“年収1000万”でも、生活感覚は「並」になる

支出と負担ばかり増えて、補助はない。
気づいたら実質の“使えるお金”は、年収500万世帯と大差なかった──なんてこともザラ。

「こんだけ働いてんのに…」
ってぼやく中間層、マジで多い。


小まとめ

稼ぎがある家庭ほど“支援の外側”に置かれて、気づかぬうちに首が締まっていく。それが「報われなさ」の正体かもしれん。

年収500万円でも生活に余裕がある家庭の実態

「節約してる家庭 vs 見栄で苦しむ家庭」

「うちは年収少ないからキツいです…」って声もある。
でも、制度と支出の設計しだいでは意外とやっていけるケースも少なくない。


制度を活かす家庭が“意外と強い”ワケ

たとえば、年収500万円くらいの世帯なら──

  • 所得税・住民税・社会保険料の負担は軽い
  • 児童手当や保育料の補助はフルで受けられる
  • 医療費助成や高校・大学の授業料支援も受けやすい
  • 給付型奨学金の対象にもなりやすい

“払う金は少なく、受けられる支援は多い”構造になってる。


残るお金で比べると、差は意外と小さい

一般的に、年収500万円の手取りは約400万円前後
ここから各種支出を引いた「実質的に残せるお金」は──


💴 年間の「残せるお金」の比較(モデルケース)

世帯タイプ手取り額支出(教育・医療・保育・奨学金)残せるお金
年収500万円世帯約400万円約51万円(助成あり)約349万円
年収1000万円世帯約750万円約152万円(全額自己負担)約598万円

➡️ 差額:年間で約249万円

「年収500万円世帯」と「年収1000万円世帯」の手取り額と支出後の残せるお金を比較したグラフ

一見、この差は大きく見える。
でも、ここに**「ちょっといい家」と「普通車」の維持費**が加わると──

  • 住宅ローン・固定資産税・修繕費:年間100〜150万円
  • 車ローン・車検・保険・ガソリン代:年間50〜100万円

あっという間にこの249万円の差は吹き飛ぶ。

野村総合研究所の調査では、「年収900〜1200万円層がもっとも貯蓄しづらい」という結果が出ている。
税負担が増える一方で、補助制度の恩恵は受けにくく、
“挟まれた層”が最も苦しい構造
になっている
【野村総合研究所「生活者1万人アンケート調査 2023」より】。


🔚 小まとめ

「ウチは高収入やから余裕なはず」
そう思ってたけど、ふたを開けたら助成を受けてる家庭と、生活水準が大して変わらない
実はこれ、めちゃくちゃよくある話なんよな。

かつて中間層だったオレが今思うこと

オレも昔、共働きで世帯年収900万円超えてた
いわゆる“そこそこ稼いでる家庭”やった。

でも、現実は全然ちがった。


「年収より支出設計」が大事と気づいた転機

思い出せば──

  • マンションのローン
  • 車のローン
  • 旅行に、外食に、週末のサーフィン
  • ギャンブルとブランド服にも手を出してた

子どもはいなかったのに、気づいたら借金だらけ。
「なんでこんなに稼いでるのに、貯金ゼロなんや?」って本気で思った。

「年収1000万円(額面)」に対する支出内訳の円グラフ

実際、「貯蓄ゼロ」の世帯は年収800万以上でも一定数存在するというデータもある。
高収入でも“出ていく暮らし”をしてたら、貯まらんのは当たり前なんよな
【金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査 令和5年」より】。


手取りを増やすより、暮らしを整えるほうが強い

このままじゃアカンと思って、オレは転職を決意した。

年収は減った。
でも──

  • ローンも手放して
  • 無駄な見栄も捨てて
  • 自分の時間を取り戻した

その結果、お金も気持ちも、今のほうがよっぽど余裕がある。


結局、自分で“余裕を削ってた”んやと思う

当時は「稼いでるんやからええやろ」って思ってた。

でも、よう考えたら──

  • その稼ぎにあわせて、支出をどんどん広げてた
  • 他人の目ばかり気にして、無理してた

「余裕がない」のは、収入が少なかったからやなくて、生活のつくり方を間違えてたからやった。


🔚 小まとめ

あの頃より年収は減ったけど、\n> 今のほうが“自分の人生”を生きてる気がする。
見栄で膨らんだ暮らしを、一回引き算してみるのもアリかもしれんで。

高収入に見合った生活は本当に必要か?

「分かれ道に立つ現場作業員」

「もっと稼げば、ラクになる」──
そう思って、頑張るのが当たり前やった。

でも実際は、稼ぎ方を間違えると、制度にも税金にもやられて、思ったほど残らん。

むしろ、低所得でも堅実に暮らしてる人のほうが、余裕あったりする。

「低所得世帯向けの医療・教育支援の推移」を示したグラフ(仮データ)

「稼げば勝ち」という時代はもう終わってて、
今は**“制度を活かせるかどうか”が、家計の明暗を分ける**ようになってきてる。
実際に、低所得層向けの医療・教育支援は年々手厚くなってるってデータもある
【厚生労働省「子育て支援制度の現状と課題 2024」より】。


オレも昔、見栄はってた。

  • 共働きで900万超えてたけど
  • 家も車もローンまみれ
  • 飲み、旅行、サーフィン、ブランド…

気づいたら、貯金なんて一切なかった。


でも暮らしを変えて、収入を落としてでも時間を取り戻した今、

「結局、何が豊かなんやろな」って思うようになった。


「残業より残る暮らし」を考えるきっかけに

「交代勤務、今のペースであと10年いけそう?」
「出世して年収上がったけど、その分“自分”削ってへん?」
「その家、その車、それほんまに“欲しかったもの”なんか?」


答えはすぐ出なくてもええ。
ただ、今の暮らしに“無理”があるなら、一回立ち止まってええと思う。


無理せんでも、誰にも勝たんでもええ。
自分がラクで、納得できる暮らし。
それをつくる力は、あんたの中にちゃんとあるで。

  • この記事を書いた人

マサル

半導体工場で派遣から正社員となり最年少で課内最優秀社員に選出。早期退職後、農業スタートアップや期間工を経験。現在は自動車部品メーカーで働きながら、副業(ブログ運営、YouTube編集、バーテンダー)や資産形成(iDeCo、NISA、不動産投資)を実践中。多彩な経験を活かし、働き方や生き方を模索し続ける。