正直、期間工の時に教わった先生のことは、今でも覚えている。
仕事の内容より先に、相手の機嫌を見ていたんよ。
その先生は、とにかく気難しかった。いつも機嫌が悪い感じで、どこか排他的な空気もあった。上手くできていても、「まだまだ」みたいな感じで、褒められることはなかった。
もちろん、仕事を教えてもらっている立場だから、覚えることは覚えないといけない。そこは分かっている。
でもね、教わる側がずっと相手の顔色を見ている状態になると、仕事に集中しにくくなる。
気付けば仕事より相手の機嫌を見ていた
俺はこうだった。
期間工の時の先生は、機嫌がいつも悪くて、上手くできても褒められることはなかった。俺は仕事を覚えることだけじゃなく、相手の機嫌を読むことにも意識を使っていた。
これ、きついんよ。
新人の時って、ただでさえ分からないことだらけやん。作業の流れ、道具の使い方、ミスした時の対応、どこまで確認していいのか。
そこに、「この人、今聞いて大丈夫かな」が乗ってくる。
そうなると、質問する前に止まる。失敗を見せるのも怖くなる。褒められたいというより、怒られないように動く感じになる。
俺は、その状態で信頼関係を築くのはかなり難しいと感じた。
気難しい人とは信頼関係を築きにくい
気難しい人から学べることはある。これは本当にある。
技術とか、見る目とか、仕事への厳しさとか。そこは否定しない。
でも、その人の機嫌までセットで受け取る必要はない。
これ、俺の感覚だけで終わらせたくないから少しだけ話すね。
Googleは2012年からProject Aristotleで、成果を出すチームに何があるのかを調べて、Google re:Workで心理的安全性がチームの土台になると紹介している。2017年のFrazierらのメタ分析でも、心理的安全性は学習行動や情報共有、パフォーマンスと関係があると整理されている。
つまり、質問や失敗を出しにくい空気だと、人は学びに集中しにくい。俺が現場で感じていた違和感は、ただの甘えではなかったんだと思う。
相手の評価基準で自分を測ると疲弊する
一番しんどいのは、相手に認められることを目標にしてしまうこと。
相手が褒めない人なら、ずっと自分はできていない気がする。相手の機嫌が悪いだけなのに、自分のせいみたいに感じる。
これを続けると、自分の成長が見えなくなる。
ここなんよ。
相手の評価基準に、自分の成長を預けなくていい。
新人の時ほど、ここは本当に気をつけた方がいい。
相手が「まだまだ」と言う。それはそれで受け止める。でも、それだけで自分を全部測らない。
昨日できなかった作業が、今日は少し分かったのか。ミスが一回減ったのか。確認するタイミングが少し早くなったのか。
そこを見る。
機嫌の良し悪しは相手の課題
相手に合わせないって、反抗しろという意味じゃない。
ルールは守る。安全も守る。教えてもらったことは覚える。そこは自分の課題。
でも、相手の機嫌までは自分の課題じゃない。
機嫌が悪いのは、相手側のもの。そこまで背負うと、自分が潰れる。
俺的に、教わる側が見るべきなのはここ。
- 昨日より一つ覚えたか
- 同じミスを少し減らせたか
- 分からないことを一つ整理できたか
全部できなくていい。
今日一つだけでいい。
新人ほど自分の成長軸を持つ
気難しい人に当たると、どうしても相手の反応が気になる。
でも、その人が褒めるタイプじゃないなら、褒められるのを待っていたらずっと苦しい。
だから、自分の中に小さい物差しを持つ。
「今日はここだけ覚えた」
「昨日より一回だけ確認が早かった」
「同じところで止まらなかった」
これでいい。
技術は学んでいい。仕事の厳しさも学んでいい。
でも、相手の態度や機嫌まで受け継がなくていい。
自分が教える側になった時に改善する
俺は、気難しい人をただ悪者にしたいわけじゃない。
その人から教わったこともある。仕事として学んだ部分もある。
でも、俺が教える側になった時に、同じ空気を作りたいかと言われたら違う。
新人が質問しやすい人でいたい。
失敗を隠さずに言える空気を作りたい。
「聞いたら機嫌悪くなるかな」じゃなくて、「確認していいんだ」と思える人でいたい。
考えてみて。
あなたの成長は、本当にその人の機嫌で決めるものだろうか。
気難しい人から教わるのは大変。
でも、相手の機嫌まで背負わなくていい。
自分の課題に集中する。昨日より少し覚える。ミスを少し減らす。
それでいい。
今日一歩
- 今日覚えたことを一つだけメモする
- 昨日より減ったミスを一つだけ書く
- 次に確認したいことを一つだけ整理する
あの頃の自分が欲しかった先輩に、今度は俺がなろうと思う。
参考資料
Google re:Work「Understanding team effectiveness / Project Aristotle」(2012年からのGoogle社内調査) https://rework.withgoogle.com/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction/
Frazier, M. L. et al. (2017)「Psychological Safety: A Meta-Analytic Review and Extension」Personnel Psychology https://doi.org/10.1111/peps.12183